60代男性におすすめ戦争映画26選｜シニアのエンタメはU-NEXT！！

 刺激的な映画が好き

 戦史を含む歴史が好き

 悲劇的な運命に立ち向かう人が好き

 極限の状況でも人を救う勇気が好き

 自分が登場人物だったら、と想像することが好き

 戦争という過ちを忘れたくないから

 ただのミリタリーマニアだから

　ストーリー
先の戦争で英雄だったベンジャミンは、今は家庭を持って落ちつきイギリスとの開戦には反対だった。
しかし、長男は反対を押し切り戦地に行ってしまい、次男は迫りくる戦火の中イギリス軍に殺されてしまう。
ベンジャミンは次男の死に怒りを覚え、民兵を率いて再び戦場に戻っていくのだった。
　メモ
この時代の横一列に並び鉄砲を打ち合う戦術が怖ろしい。
1列目は犠牲になり、敵が弾を込めている間に2列目突撃する。
大砲も水平に撃ち、バタバタと将棋倒しのように兵が倒れていく。
ベンジャミンのモデルになったフランシス・マリオンは、ゲリラ戦が得意でアメリカ陸軍レンジャー部隊の創設に貢献したといわれている。
ベンジャミン扮するメル・ギブソンは頼もしいお父さん役がよく似合う。

　ストーリー
南北戦争で瀕死の重傷を負ったインマンは、脱走兵となり故郷への500kmにおよぶ長い旅に出る。
旅の途中でいろいろな困難や誘惑があるが、インマンはストイックに克服していく。
故郷のコールドマウンテンには最愛の女性であるエイダが待っているのだった。
　メモ
ニコール・キッドマンは芯の強い女性役が多いが、今回はひたすら待ち続けるか弱い役柄を演じている。
途中から、天涯孤独となったエイダと一緒に暮らすようになったルビーのキャラクターが面白い。
ルビー役のレニー・ゼルウィガーは、この演技でアカデミー助演女優賞を受賞した。
小雪がちらつくコールドマウンテンの風景が美しい、時代に翻弄されていく大人の純愛映画で女性も楽しめる。

　ストーリー
第一次世界大戦の西部戦線、ドイツ軍の志願兵になったパウルは戦場でいろいろな体験をしていく。
最初は愛国心に燃えていたが仲間の死を目の当たりにし気持ちが変わっていく。
そして、無意味な殺し合いの戦争に疑問を持ちつつもパウルは戦死してしまう。
　メモ
原作は1929年にドイツで発刊された戦争小説。
当時はナチス政権下であり作者は国外追放になった。
映画はアメリカで制作され第3回のアカデミー作品賞を受賞した。
90年前の作品だが今の戦争映画の基本であるストーリー展開で分かりやすい。
地獄の戦場で、ちょっとした優しさを見せたパウルが命を落とすシーンが悲しい。

　ストーリー
第一次世界大戦で負傷したジョーは顔と両手両足を失ってしまった。
ジョーは意識はなくただ横たわっているだけの人間だと思われていた。
やがて、そんなジョーからボディーランゲージでモールス信号が送られてくる。
そのメッセージを知った周囲の人々は驚愕するのだった。
　メモ
衝撃的な反戦映画ではじめて観たときはなぜか憂鬱な気分になった。
戦争で肉体のほとんどを失ったジョーを救える人なんて誰もいない。
何もできないこの状態で意識があるなんてまさに生き地獄。
でも、ありえない話ではない。
過去がカラー映像で現在がモノクロなのが印象的な作品。

　ストーリー
第二次世界大戦下のフランスで、避難途中の少女ポーレットはドイツ軍の空襲により両親を失ってしまう。
途方に暮れているときたまたま農家の少年ミッシェルに出会った。
そして彼の家に保護されることになり一緒に暮らすことになった。
やがて、ポーレットとミッシェルは兄弟のようにお互いを信頼するようになる。
ミッシェルはポーレットの死んだ愛犬がさびしくならないように、盗んできた十字架でお墓をたくさん作ってあげるのだった。
　メモ
誰もが知っていて、これほど有名な反戦映画はない。
テーマソングの「愛のロマンス」を聴いただけでもこみ上げてくる人も多いはず。
小学校の頃に映画観賞会で観ただけという人もいるかも知れない。
大人になってから観ると、ミッシェルの両親は意外にポーレットに冷たかったりするリアルな映画だったことが分る。

　ストーリー
第2次大戦末期にドイツにある脱走不可能といわれた捕虜収容所で、連合国軍兵士250人の大量脱獄が計画される。
当初、森の中までで掘られているはずのトンネルが予想より短く、連合国軍捕虜の1/3が脱走したところで脱獄が発覚してしまう。
脱獄に成功した捕虜たちはいろいろな形で逃亡を図るが、ほとんどは見つかって銃殺されたり連れ戻されたりしてしまう。
　メモ
スティーヴ・マックィーン扮するヒルツがドイツ軍のバイクで逃走し、追われて丘の上で大ジャンプするシーンはあまりにも有名。
結局ヒルツは捕らえられ独房に入れられてしまうのだが、脱獄の意欲はまだ捨ててはいない。
ストーリーは、戦時中の実際の脱獄体験をもとにして書かれたポール・ブリックヒルの著書「The Great Escape」をモデルにしている。
戦争映画にはめずらしく戦闘シーンはないが、「大脱走」は時代を越えて楽しめる娯楽戦争活劇だ。

　ストーリー
第二次世界大戦の北アフリカ戦線に、アメリカ第2機甲兵団のパットン将軍が着任する。
当時、北アフリカ戦線はロンメル将軍率いるドイツ軍が優勢であり、アメリカ軍は歯が立たなかった。
そこでパットンは厳しい規律と訓練で機甲兵団を立て直し、やがてロンメルに勝利する。
その後パットンはヨーロッパに転戦していくが、自分勝手なふるまいや暴言などで数々のトラブルを引き起こす。
　メモ
冒頭の、ノルマンディー上陸作戦前のスピーチは圧巻で、ここにパットンのすべてが凝縮されている。
「信心深いが口が悪い」といわれていたパットンの、実際のスピーチはもっと汚い言葉を使っていたらしい。
他の連合国にライバル心を燃やし、アイゼンハワー総司令官も手を焼いたパットンにはどこか憎めないところがある。
時代遅れの英雄であるパットンを見事演じたジョージ・Ｃ・スコットにはアカデミー主演男優賞が贈られた。
しかし、なぜか彼はパットンさながら受賞を拒否している。
戦闘シーンは、まだCGのない時代のお金と時間をかけた贅沢なものに仕上がっている。

　ストーリー
第二次世界大戦末期のドイツ占領下のフランス。
医師のジュリアンは危険を察知して、妻クララと娘フロランスを田舎に疎開させたせた。
しかし、妻と娘はレジスタンス狩りのドイツ兵たちに無残にも殺されてしまう。
復讐心に燃えたジュリアンは、古い散弾銃一丁でドイツ兵たちを次々に殺害していくのだった。
　メモ
どこにでもいそうな冴えない中年男の壮絶な復讐劇が見もの。
火炎放射器が炸裂するシーンではジュリアンの狂気を感じる。
ジュリアン役のフィリップ・ノワレは大ヒット映画、『ニュー・シネマ・パラダイス』の映写技師アルフレード役でもおなじみ。
クララ役のロミー・シュナイダーは元々ドイツ人で、フランスにおいて女優として大成功したものの43歳の若さで亡くなっている。
ドイツ占領下の暗い時代の話だが、フランス映画特有の牧歌的映像が印象的。

　ストーリー
第二次世界大戦中の1944年9月に行われた連合国軍の『マーケット・ガーデン作戦』を描いた作品。
連合国軍がドイツ国内へ進撃するためにはオランダにある多くの河川を越える必要があった。
そのため連合国軍は空挺部隊を使い多くの橋を奪取する作戦を実行した。
しかし、連合国軍の「ドイツにはもう反撃力はない」という誤算からかなりの犠牲と苦戦を強いられた。
　メモ
ノルマンディー上陸作戦から3カ月後の話だが、この『マーケット・ガーデン作戦』が予定通りいかなかったおかげで戦争の終結が遅れたともいわれている。
劇中で、連合国軍がドイツの戦車の砲弾を受けながら手漕ぎボートで対岸に渡るシーンが印象的。
ブラウニングイギリス軍中将を演じたダーク・ボガードは、実際にマーケット・ガーデン作戦に参加した経験を持つというから驚き。
『遠すぎた橋』は、連合国軍さながら各国の大スターが共演した、今では考えられないほど豪華な戦争映画だ。

　ストーリー
第二次世界大戦中にドイツによるユダヤ人虐殺が進む中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーがポーランド系ユダヤ人を救済する実話を元にした作品。
シンドラーは、自分が経営する軍需工場に必要な生産力だという名目で彼らの絶滅収容所送りを阻止した。
　メモ
実際のシンドラーもナチスの党員であり金儲けにしか興味がない男だった。
彼の軍需工場はかなりの利益を上げ、彼は上流階級のごとく金を湯水のよう使っていた。
だが次第に、無力なユダヤ人を弾圧し続けているナチスに不信感を抱くようになる。
そして彼は軍需工場という特権を生かし、1100人というユダヤ人の命を全財産かけて救う行動をとった。
戦後見つかった資料によれば、ナチスに贈る賄賂などで100万ユーロ（約1億2千万円）使ったといわれている。
戦後、シンドラーは事業を起こすも失敗続きで、晩年は救済したユダヤ人に招かれてイスラエルで半年、母国ドイツで半年過ごすような生活を送った。
監督のスティーヴン・スピルバーグ自身もユダヤ系であり、監督の報酬を辞退したといわれている。
『シンドラーのリスト』はホロコースト（組織的大量虐殺）映画を代表する傑作だ。

　ストーリー
第二次世界大戦中、ユダヤ人迫害が行われたイタリアを舞台にした家族の物語。
グイドは、息子ために強制収容所での生活を「これはゲームなんだ」とおどけてみせて楽しく過ごさせようとする。
　メモ
悲惨な強制収容所をコメディータッチで描いためずらしい作品。
グイドのギャグセンスはちょっとなじめないところもあるが、どんな状況もポジティブな明るさに変えるパワーはすごい。
寡黙で力強いお父さんもいいが、子どもを気づかい常に楽しませるお父さんも素敵だ。
奥さんのドーラ役を演じているニコレッタ・ブラスキは実生活でもベニーニの妻である。
ラストシーンで、母親と再会した息子のジョズエが「僕たちはゲームに勝ったよ！」と喜ぶところは本当に泣けてくる。
ロベルト・ベニーニはこの作品でアカデミー主演男優賞と外国語映画賞を受賞した。

　ストーリー
ノルマンディ上陸作戦を舞台に、ライアン二等兵を戦場から連れ戻す命令を受けた連合軍のミラー大尉たちの救出劇。
ライアンの3人の兄は皆戦死しており、兄弟全員を死なせられないという上層部の命令だった。
　メモ
冒頭の、20分におよぶオマハ・ビーチ上陸のシーンは映画史に残る凄惨なもの。
戦闘シーンの撮影にあたってトム・ハンクスら出演者は、実際と同等の訓練を10日間受けた。
映画のストーリーは、アメリカ陸軍のナイランド兄弟の逸話がモデルになっている。
実際に、従軍している多人数の兄弟は全員戦死させてはいけないルールがアメリカ軍にはあった。
「プライベート・ライアン」はアカデミー賞5部門を受賞した、紛れもない戦争映画不朽の名作。

　ストーリー
ドイツ敗戦の色が濃くなる1944年に起きた、ドイツ国防軍将校たちによるヒトラー暗殺計画の物語。
その指揮を執ったのは実在の将校クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐で、実行された日にちなんで『7月20日事件』と呼ばれた。
　メモ
ギリギリのところでヒトラーは助かるのだが、もし暗殺が成功していれば戦争終結が早まった可能性がある。
これ以外にもヒトラー暗殺計画はあり、いずれも失敗か計画倒れに終わっている。ナチスは狂信的な信者ばかりではなかったことがよく分かるが、それにしてもヒトラーは悪運が強かった。
映画全編に冷たくピリピリした雰囲気があり、ナチスの恐ろしさが伝わってくる。

　ストーリー
第二次世界大戦のドイツ占領下でのポーランドで、両親を殺されたユダヤ人4兄弟はベラルーシの森に逃げ込んだ。
やがて森には、ナチスの迫害から逃れてくるユダヤ人が集まるようになり大規模なキャンプが作られていく。
　メモ
この作品は、ポーランドにおけるビエルスキ兄弟のユダヤ人救出を描いた実話小説を基にして作られている。
森のキャンプには学校や病院、保育所まであり、終戦時には1200人のユダヤ人がいたという。
キャンプのメンバーは『ビエルスキ・パルチザン』とよばれ、追ってくるドイツ軍と戦い続けた。
余談だが、トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナーの祖父母がこのグループに属していたという。
劇中では、ダニエル・クレイグ扮するトヴィアのリーダーとしての苦悩がよく描かれている。

　ストーリー
第二次大戦末期のヨーロッパ戦線で、アメリカ機甲師団のウォーダディーが車長のシャーマン戦車“フューリー号”が地雷を踏み立ち往生してしまう。
そこへ300名からなるドイツ武装SS大隊が近づいてくる。
戦車の搭乗兵たちは戦車を捨て森へ逃げることを要望するが、ウォーダディーはひとり残って待ち伏せ攻撃をすると主張する。
　メモ
戦車の戦闘シーンでは本物のシャーマン戦車が使用された。
また、中盤に登場するドイツのティーガー戦車は、世界で唯一駆動可能なものが貸し出されたという。
ミリタリーファンなら必ず喜ぶ、随所にこだわり見せた本格的戦争映画になっている。
映画の中では、戦闘意欲のない新兵ノーマンが少しづつ成長し一人前の兵士なっていく姿がていねいに描かれている。
主演のブラッド・ピットはどんな役柄でもこなしてしまうトップクラスの名優だ。

　ストーリー
第二次世界大戦下のロシア戦線で、ヴァスコフ曹長率いる女性砲兵隊員が活躍する物語。
女性兵士たちは家族や恋人をナチスに殺されおり、非常に高い戦闘意欲を持っていた。
　メモ
知名度のない映画なのであまり期待しなかったが、物語が進んで行くにつれどんどん引き込まれていく。
女性兵士特有の問題を親身になって解決していくヴァスコフ曹長の姿が頼もしい。
第二次世界大戦当時、勇猛果敢なロシア女性兵士は80万人もおりナチスも手を焼いたという。
『レッド・リーコン1942」』は、地味だけどキラリと光るロシア戦争映画の秀作である。

　ストーリー
第二次世界大戦中ドイツ占領下のチェコスロバキアで、ナチス親衛隊の大物幹部ラインハルト・ハイドリヒを暗殺した『エンスラポイド作戦』を描いた物語。
ハイドリヒはユダヤ人大量虐殺の実権を握り、その冷酷さから「金髪の野獣」とよばれていた。
　メモ
連合国の命令でチェコに落下傘降下した亡命政府のヨゼフとヤンの実話である。
紆余曲折して何とかハイドリヒの暗殺は実行されたが、暗殺チームは教会の地下室の追いつめれられ手しまう。
その教会は今でも現存しており、地下室はヨゼフたちを記念した銘板とともに保存されている。

　ストーリー
太平洋戦争末期の硫黄島で、アメリカ軍を最も苦しめた指揮官といわれている栗林忠道中将率いる日本軍将兵の戦いを描いている。
硫黄島の戦いは、日本軍将兵の96％が戦死し、アメリカ軍はそれ以上の戦死・戦傷者を出した激戦の地でもあった。
　メモ
クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部作のうちのひとつ。
『父親たちの星条旗』はアメリカ側視点、『硫黄島からの手紙』は日本側視点で描かれている。
栗林中将が家族に手紙を書くシーンは、『「玉砕総指揮官」の絵手紙』という後にまとめられ編集された本を基にしている。
本作はアメリカでの評価も高く、日本ではちょっとした硫黄島ブームになり、ドキュメンタリーが作られたり関連書籍も出版された。
渡辺謙はもちろんだが、普通の男が戦場で変わっていく様を好演した二宮和也もすばらしい。

　ストーリー
クリスは貧しいアメリカの若者が、現金と職のために次々入隊していく現実に憤りを覚えていた。
そして自身は大学を中退し、陸軍志願兵としてベトナムにやってきた。
最前線に配属され、そこで想像をはるかに超えた過酷な現実と向き合うことになる。
民間人への虐殺や強姦、兵士たちの麻薬汚染や同士討ちなど、戦場の狂気を体験するのだった。
　メモ
プラトーンとは軍隊における編成単位で小隊を指す。
クリスが配属された小隊には、戦場の鬼と化したバーンズ軍曹と、まだ善良な心持っているエリアス軍曹がいた。
物語はこの2人の対立を軸に進んでいくのだが、バーンズ軍曹の傍若無人ぶりがすごい。
過酷な戦場においては恐怖が狂気に変わっていく。
ベトナム帰還兵がPTSD（心的外傷後ストレス障害）に苦しめられた原因がよく分かる。
『プラトーン』はアカデミー賞4部門を受賞した80年代を代表する戦争映画だ。

　ストーリー
ベトナム戦争下、アメリカ海兵隊訓練基地にジョーカーたち新兵が入隊してくる。
ジョーカーたちは鬼教官・ハートマンから過酷なシゴキを受け、その中の1人である落ちこぼれのパイルは精神に異常をきたす。
卒業直前、パイルの狂気はついに爆発してハートマンを襲うという凶行に走る。
卒業後、報道部員としてベトナムに送られたジョーカーは、訓練所で一緒だったメンバーと再会し彼の小隊へ同行する。
そして、ベトコンの狙撃兵から待ち伏せ攻撃を受け、激しい戦闘に突入していくのだった。
　メモ
スタンリー・キューブリックにとって『突撃』以来30年ぶりの戦争映画である。
作品は前半と後半でガラッと雰囲気の違うものになっている。
前半は、鬼教官のキャラクターに笑えるが、徐々にキューブリックのホラー作品『シャイニング』のようなおどろおどろしい雰囲気になってくる。
後半は、戦地に行ったジョーカーと仲間のやりとりがアメリカン・ジョークばかりでちょっと退屈なところがある。
しかし、狙撃兵との戦闘シーンはリアリティーがあり凄まじい。
この辺の映像的落差は、いつも予想を裏切るキューブリックらしさが出ている。

　ストーリー
1966年、ベトナム戦争において新兵のエリクソンは偵察任務に就く。
その途中、ミザーブ軍曹と部下3人は意味もなく村の娘を誘拐し強姦してしまう。
エリクソンは娘を助けようとしたが、ベトコンとの戦闘の最中に娘は口封じのため殺されてしまった。
基地に戻ったエリクソンは、ミザーブ軍曹たちの卑劣な行為を上官に報告するが誰も取り合おうとしない。
　メモ
作品は実話を元にしており、実際の犯行メンバーたちも軍法会議で裁かれ実刑を受けた。
しかし、劇中の上官の言葉にあるように、彼らは減刑されたり釈放されたりしている。
この事件は被害者の妹が立ち会いきちんと実況見分されためずらしい例。
戦争という混乱の中で埋もれた非人道的事件は無数にあると思われる。
『カジュアリティーズ』は、マイケル・Ｊ・フォックスやショーン・ペンなど、80年代を象徴する当時の若手俳優が熱演している。

　ストーリー
1993年、米軍は民族紛争の続くソマリアへ派兵する。
内戦を終結させるため、和平に反対するアイディード将軍等を捕らえる目的があった。
首都モガディシュには100名近くの特殊部隊が送られ、作戦は1時間足らずで終了するはずだった。
ところが、米軍ヘリである”ブラックホーク”が撃墜され、救出に向かった米軍とゲリラとの間で泥沼の市街戦が繰り広げられていく。
　メモ
これは実際に起きた軍事行動であり『モガディシュの戦闘』とよばれている。
当時、ソマリアの内戦は激化しており多くの難民と飢餓をもたらしていた。
そして、国際世論に押される形でアメリカは単独で軍事介入することになる。
結果として、短時間で終わる作戦が15時間もかかりアメリカ軍は19人の戦死者を出した。
また、ソマリア民兵と市民に1000名の死者が出た。
一般的にはこの作戦は失敗だったと認知されている。
映画の撮影は、当時まだ情勢不安だったモガディシュを避けモロッコで行われた。
戦闘シーンでは、爆弾の地響きや飛び散る砂など、リドリー・スコットらしいクールな映像になっている。
『ブラックホーク・ダウン』はヒーローなんて出てこない硬派の戦争映画だ。

　ストーリー
2005年のアフガニスタンにおいて、アメリカ特殊部隊ネイビー・シールズ4名はタリバン指導者の暗殺作戦を実行していた。
ところが、途中出会った羊飼いを議論の末解放したことが裏目に出て、居所がタリバンに知られてしまう。
その後4人は、100名を超えるタリバン兵に山中で囲まれてしまい交戦状態になる。
　メモ
実話が基になっており、著者であるマーカス・ラトレルも隊員役として劇中に登場している。
この作戦は『レッド・ウィング作戦』とよばれ、ネイビー・シールズ隊員3名と、救助に行き撃墜されたヘリの兵士16名を失った。
『レッド・ウィング作戦』はネイビー・シールズ史上最大の悲劇といわれている。
一人生き残ったラトレル一等兵曹は、助けられた村人たちといまだに親交があるという。
主演のマーク・ウォールバーグは、90年代以降数多くの映画に出演しており映画好きなら見覚えのある顔だ。

　ストーリー
アメリカ軍は同時多発テロ事件の翌日、アルカイダに向かって反撃することを決定する。
アメリカが最初に行った反撃はアフガニスタンのテロ組織の拠点を制圧することだった。
そしてアメリカ陸軍特殊部隊員12名が派兵され、地元の反タリバン勢力と協力して作戦を実行した。
しかし、実際には敵対勢力は5万人もおり、しかもアメリカ側の移動手段は馬しかなかった。
　メモ
これは嘘のような実話が基になっている。
彼らの活躍により、アルカイダの拠点であったマザーリシャリーフから敵対勢力は撤退せざるを得なくなった。
アメリカ政府は、彼らの偉業を称えて貿易センタービル跡地に騎馬隊の銅像を建てた。
また、アメリカ軍に協力したドスタム将軍はのちにアフガニスタン第一副大統領になっている。
本作の監督は報道写真やCM監督のキャリアを持ち、一つ一つの映像にこだわりがあり実に美しい。

　ストーリー
イラク戦争中の2004年のバグダッド郊外。
アメリカ陸軍の爆発物処理班は、路上に仕掛けられた即席爆発装置（IED)の解体、爆破の作業を進めていた。
そこへ、殉職した班長の代わりとしてジェームズ一等軍曹が配属される。
ジェームズはIEDの専門家で、これまでに837個の爆弾処理経験がある。
しかし、メンバーであるサンボーン軍曹は、ジェームズの危険を顧みない行動や協調性のなさから反発を強めていく。
　メモ
爆発物処理班は軍の中でもいちばんやりたくない仕事ではないだろうか。
イラク戦争では、イラク駐留アメリカ軍兵士の戦死の大半はIEDによるものだったといわれている。
イラクやアフガニスタンでは、過去の戦争で残された不発弾や地雷が多数ありIEDは容易に作れたという。
映画のラストで、再び自分の居所を求めて戦地に向かうジェームズの姿が印象的だ。
この作品はアカデミー賞6部門を受賞し、キャスリン・ビグローは女性初の監督賞受賞者になった。

　ストーリー
イラク戦争に4回従軍し、アメリカ史上最多の160人の敵を倒した特殊部隊ネイビー・シールズの狙撃兵クリス・カイルの自伝映画である。
カイルは敵から「悪魔」とよばれ懸賞金までかけられていた。
敵には元オリンピックの射撃選手のムスタファという狙撃手がおり、カイルと何度も死闘を繰り広げるのであった。
　メモ
手りゅう弾で攻撃しようとする子どもをカイルが射殺する場面は、この映画で最も有名なシーンになった。
本作は『プライベート・ライアン』の記録を塗りかえ、アメリカ戦争映画史上最高の興行収入を上げた。
そして日本でも連日CMが流れ大ヒットして話題になった。
しかし、アメリカでは作品の内容をめぐり大きな論争を引き起している。
「160人も殺害したことが美化されている」、「愛国的で味方の多くの命を救った英雄である」、等の意見に分かれた。
これに対しクリント・イーストウッド監督は、「戦場では様々なことが起こるという見方以外に、政治的な価値観は反映されていない」とコメントした。
退役後、帰還兵のボランティアをしていたカイルは、面倒をみていた帰還兵に殺されてしまう。
戦地から無事に戻れた帰還兵には、今度はPTSD（心的外傷後ストレス障害）との闘いが待っている。

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